マサチューセッツ大学アマースト校との双方向技術職員研修報告会を開催
令和8年9月30日、「北海道大学・マサチューセッツ大学アマースト校 双方向技術職員研修事業」の報告会をハイブリッド形式(オンライン・現地参加)にて開催しました。
本研修は、本学が採択されているJSPS「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」の取り組みの一環として、戦略的国際パートナー校であるマサチューセッツ大学アマースト校(University of Massachusetts Amherst、以下、UMass Amherst)と連携して実施された双方向研修事業です。令和7年10月に同校から3名の技術職員を本学に受け入れ、令和8年6月にはITeCHから3名の技術職員が同校を訪問して、現地視察や教育・研究施設の運営、技術支援、人材育成などについて活発な情報交換を行いました。
当日は、研修に参加した鈴木啓太 技術専門職員、増茂弘規 技術専門職員、石垣聡子 技術専門職員から報告があり、参加者との間で、現地での学びや今後の研修成果の学内展開に向けた活発な質疑応答が行われました。
研修事業の概要と共用施設・Makerspaceの活用
報告:鈴木啓太 技術専門職員

最初に、研修の全体概要や共用機器・施設の視察について報告がありました。
特に印象的だった取り組みとして、同校における「Makerspace(ものづくりスペース)」の運用形態が紹介されました。同施設は学術研究目的にとどまらず、学生のサークル活動や趣味領域にも広く開放されており、基本的なトレーニングを受けた学生が主体的に試行錯誤しながら技術を習得していく文化が確立されている点が挙げられました。
また、施設内に研究成果や成果物を積極的に展示する工夫や、装置をメーカーと共同開発・実証利用することで高額な大型装置の導入・更新に繋げている事例など、持続可能な施設運営に向けた貴重な知見が共有されました。
農業・フィールド施設と地域普及活動(Extension)
報告:増茂弘規 技術専門職員

続いて、農業・フィールド施設の視察や地域連携の取り組みについて報告がありました。
今回の相互交流をきっかけに実現した「HU-UMA総合型病害虫管理(IPM)ウェビナー」の成果が紹介されたほか、現地視察における安価なトラップやレーザーを活用した鳥防除、フードロス削減を目的としたシードル生産など、合理的かつ実践的な事例が共有されました。
また、同校が100年以上にわたり地域普及活動(Extension)を実施してきたことで、大学と地域社会、州行政、産業界との強固な連携が構築されており、州全体の発展を支える「知識基盤」として機能していることを実感したとの報告がありました。
先端医療・精密機器施設と人材活用・育成
報告:石垣 聡子 技術専門職員

最後に、先端研究機器の設置環境や学生・技術者の人材活用・育成について報告がありました。
医療機器分野では、子どもを対象とした脳発達研究などのため、本番同様に動作する練習用装置「Mock MRI」を導入し、事前体験によって被験者の不安を和らげ、スムーズな検査を実現している先駆的な事例が共有されました。
さらに、ガラスワークショップやニコンイメージングセンターなどにおいては、学生インターンが施設運営の重要な担い手として活躍しており、カリキュラムやインターン制度を通じて早くから高度な設備や専門技術に触れさせ、将来のキャリア形成につなげる体制が整備されていることが紹介されました。
今回の双方向研修を通じて得られた知見は、本学における教育・研究環境の整備や共用機器の運用改善、そして技術職員のスキル向上や国際的視野の拡大につながる貴重な機会となりました。
今後、今回の成果を学内へ展開するとともに、UMass Amherstと同様に戦略的国際パートナー校であるメルボルン大学(The University of Melbourne)との双方向技術職員研修事業を実施する予定です。